サンドウィッチ・ライター葉桜のブログ

サンドウィッチ好きが高じて、サンドウィッチライターになったサンドウィッチ狂い葉桜陽が、サンドウィッチ好きにおくる、サンドウィッチ好きによるサンドウィッチ好きのためのサンドウィッチブログ。

ファミマ全粒粉サンドに新作2品が登場!

 2015~2017年に行われた、サンドイッチ刷新以降、コンビニエンスストア界において「サンドイッチといえば」というイメージを獲得しつつあるファミリーマート。サブマリンサンド(横に切れ込みを入れたフランスパンを使ったサンドイッチ)や、オールスターサンドなどの数々のヒット商品を生み出し続けるなか、2018年、その一つのヒット商品に数えられる「全粒粉サンドシリーズ」がはじめて発売した。そして今年2月25日、全粒粉サンドシリーズに新作が二品同時に加わったので紹介する。

 

 その新作というのがコチラ。




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左:『全粒粉サンド ベーコンレタストマト』

右:『全粒粉サンド チーズミックス』

 

 早速、いただきました。率直にいえば、驚いた。とても美味い。本当のことをいうと、いざ食べてみるまでは期待していなかったのだ。所詮は工場で大量生産したコンビニレベルだろう、と。しかし、なんということか。予想外に美味しかったのでそれぞれ詳しくご紹介しよう。

 

 『ベーコンレタストマト』

 従来の白いパンでも「ベーコンレタストマト」のサンドイッチは販売されている。具材も一見変わりはない。パンだけが全粒粉パンに変わっただけのように見えるけれど、実はソースも違う。従来の「ベーコンレタストマト」では、粒マスタードとマヨソースを使っているのに対して、全粒粉パンの「ベーコンレタストマト」では、マヨソースに加え、シーザードレッシングとアンチョビにんにく入りソース。それからチーズ、食塩、黒胡椒がソースに含まれている。

 

 美味しいB.L.Tサンドの絶対条件は、BでもLでもなくT、つまりトマトの質にあると私は考えている。B.L.Tサンドにおいてトマトはサンドイッチの心臓であるといってもいいほど重要な具材だ。トマトが不味いといくら他の具材がよくても美味しくない。口のなかで弾けるような真っ赤で新鮮な完熟トマトでなくては、B.L.Tサンドのトマトは務まらないのである。「全粒粉サンド ベーコンレタストマト」のトマトはなるほど、申し分ない。

 

 それから、薄切りのベーコンとゆで卵が食べ応えを与え、新鮮なシャキシャキレタスがほどよい爽快感をもたらす。アクセントは、アンチョビにんにくソースとシーザードレッシング。これらが次の一口を急かすような癖を生む。そして何より驚いたことは、全粒粉パンのしっとりと柔らかなこと。 うむむ、よもやここまで美味いとは。侮っていた…。

 

 『チーズミックス』

  個人的には、ベーコンレタストマトよりもこちらの方が好きだ。チーズのサンドイッチ自体はさほど珍しいわけではない。〇種のチーズのサンドイッチという手の商品は、コンビニやスーパーでよく見かける。

 

 が、そのいかなるチーズサンドにも、クリームチーズは入っていなかった。私の勉強不足かもしれないが。とにかくチーズのサンドイッチといえば、チェダーにゴーダが定番。稀には、モッツァレラやカマンベールといったところだった…。

 

 今回、ファミリーマートから発売された『全粒粉サンド チーズミックス』は、チェダーとゴーダに加えてクリームチーズがたっぷり入っている! 言わずもがな美味である。

 

 さらに、しれっと挟まれたハムとキュウリがいい仕事をする。チーズの弱点である噛み応えの無さと乾燥をしっかりとフォローしているのだ。やさしい口当たりの全粒粉パンも相性抜群。これもまた、コンビニサンドとは思えぬ逸品といえよう。

 

 

まとめ

 2月25日に新発売した、二つの全粒粉サンドを紹介した。この数年のファミリーマートサンドイッチの進化と挑戦の姿勢は目を見張るものがある。3月3日にも新た2つの新作サンドイッチが登場するらしい。そちらも是非食べてみるつもりだ。

 

夜だってエッグベネディクトを食いたいじゃないか。

エッグベネディクトとは

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 エッグベネディクトという名のサンドウィッチがある。 「爽やかな朝」の代名詞と言ってもいいほど、優雅で華やかな暮らしを想わせるエッグベネディクト。その形は、とてもサンドウィッチとは思えない。実際、ほとんどの場合、手ではなくナイフとフォークを使って食べる。ちょっと特殊なサンドウィッチなのだ。

 

 サンドウィッチとは常に、気分に高揚を与える食べ物であるべきだと私は思う。見た目こそ特殊だが、その点で、エッグベネディクトは実にサンドウィッチらしい。今回は、そんなエッグベネディクトを「夜食」に食ってやりたいと思いついてしまった…。

 

ルーツ

 エッグベネディクトの発祥については諸説あるが、最も周知されている有力説は二つ。

 

 一つは、一九〇〇年頃、ニューヨーク市のデルモニコス(レストラン)で、毎週土曜の朝に来る常連客、ル・グラン・ベネディクト夫人がある日、「何か新しい変わったメニューはないの?」と支配人に訊ねたことを切っ掛けに、生み出されたとされる説。

 

 二つ目は、一八九四年にウォルドルフホテル(現ウォルドルフ・アストリア)に、二日酔いのレミュエル・ベネディクトが訪れた際、二日酔いを治すためにバタートースト、ポーチドエッグ、カリカリに焼いたベーコン、オランデーズソースを注文した。後にこの料理に感銘を受けた給仕長オスカー・チルキーが、トーストとベーコンを、イングリッシュマフィンとハムに替え、朝と昼のメニューに加えたことを始まりとする説。

 

 いずれの説も否定しきれず肯定もしきれないまま、百年以上決着がつかずにいる。が、少なくともエッグベネディクトとは、一九〇〇年頃、ニューヨーク市の飲食店でベネディクトという名の客を切っ掛けに作られた、朝食メニューであるということは確かなようだ。

 

夜のエッグベネディクトを作ってみた

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 …そう、エッグベネディクトは朝の食べ物なのだ。故に現在でも、エッグベネディクトを扱う店の殆どは、朝と昼限定のメニューとしている。人間誰しも天邪鬼。禁じられていることほどやりたくなってしまうもの。朝限定のサンドウィッチがあろうものなら、これを夜中に食べることに価値が生まれる! 

 

 というわけで、夜版エッグベネディクトを作ってみた。なに、簡単なこと。ハムの代わりに、肉百パーセントの食べ応えのあるジューシーハンバーグを使い、ほうれん草としめじのバター醤油炒めを加えて、ベビーリーフを散りばめれば夜のエッグベネディクトの完成。是非、罪悪感を味わいたい夜に、試してみてほしい。

 

レシピ(2人分)

材料

・イングリッシュマフィン 2つ

・バター 適量

・ベビーリーフ 適量

[ハンバーグ]

・牛豚合挽肉 180g

・オリーブオイル 少々

・塩コショウ 少々

[しめじとほうれん草のソテー]

・しめじ 適量

・ほうれん草 適量

・バター 10g

・醤油 小さじ2

[ポーチドエッグ]

・全卵 2つ

・酢 大さじ2

[オランデーズソース]

・卵黄 2つ

・バター 50g

・レモン汁 少々

・塩 適量

ホワイトペッパー 適量

 

作り方

[ハンバーグを作る]

1、牛豚合挽肉をボウルに入れ、塩コショウを振り、粘り気が強くなるまで捏ねる。

2、捏ねた肉を二等分し、円型に成形する。ハンバーグは焼くと小さくなるので、マフィンの直系よりやや大きいくらいの大きな円形にするとよい。

3、フライパンにオリーブオイルを少し敷いて温め、ハンバーグを焼く。

4、両面焼きあがったら、金網に移し余分な脂を切っておく。

 

[ポーチドエッグを作る]

1、鍋にお湯をたっぷり沸かし、沸騰したら火を止める。

2、熱湯に酢(白身を瞬時に固まらせる効果がある)を入れ、渦を作るようにかき混ぜる。

3、渦ができたら、その中心に全卵を落とし、2分半ほど待つ。

4、形が崩れないように取り出し、氷水で冷やしておく。

※ポーチドエッグは、必ず一つずつ作ること。

 

[オランデーズソースを作る]

1、ボウルにバターを入れレンジでよく溶かす。

2、別のボウル卵黄とレモン汁を入れ、お湯の入った鍋の蒸気で温めながらホイッパーで素早くかき混ぜる。色が白っぽくなり、とろみがついてきたら1のバターを何度かに分け、少しずつ加えて混ぜる。

3、最後に、塩とホワイトペッパーで味を調える。

 

[しめじとほうれん草のソテーを作る]

1、フライパンにバターを入れ温める。

2、しめじとほうれん草の茎部分を軽く炒め、醤油を加える。

3、ある程度費が通ったらほうれん草の葉の部分を加え、火を止め蓋をする。

4、ほうれん草の葉がしなってきたら完成。

 

[組み立てる]

1、イングリッシュマフィンを半分に切り、トーストする。

2、焼きあがったイングリッシュマフィンにバターを塗る。

3、土台となる方のイングリッシュマフィンに、ハンバーグ、ソテー、ポーチドエッグ、オランデーズソースの順にのせる。

4、ベビーリーフを適当に散らして、もう一方のイングリッシュマフィンを乗せれば完成。

 

 

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 それにしても、自分の名前が料理の名になり何百年も受け継がれるというのは、どんな気分がするものだろうか。尤も、そんなに長生きはできないけれど。然し、サンドウィッチ伯爵にしてもベネディクトさんにしても、きっと誇らしかっただろうな。

 

 

ブルスケッタ、クロスティーニ、カナッペ、タルティーヌの違いを言えますか?


 

 サンドウィッチの分類は非常にややこしい。サンドウィッチという食べ物が全世界で、同時多発的に発明され続けているせいだ。これ程までに、世界的な食べ物も珍しい。故に、そのレシピの数も世界一。18世紀にサンドウィッチという名が付くよりずっと以前から、パンと具材を一緒にして食べる文化は存在していた。それだから、フランスパンを使ったオープンサンドが四種類もあったところで、特段驚くには値しない。

ブルスケッタ」、「クロスティー二」、「カナッペ」、「タルティーヌ」。いずれも一度は耳にしたことがある名前だと思うが、いずれもハッキリと定義を答えることは難しい。どれも非常に似通ったサンドウィッチである。今回は、この曖昧なフランスパンのオープンサンドの違いをお教えしよう。

 

ブルスケッタ

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 ブルスケッタは、イタリア中部の郷土料理である。「ブルスケッタ」という名前は、ローマ地方の方言で、「炭火であぶる」を意味する「ブルスカーレ」が由来。パンは、バケットなどのすだち(キメ)の粗いパンをトーストしたものを用いる。そこへ、ニンニクを擦り込ませ、オリーブオイルをしみ込ませる。そのうえに、具材を乗せる。パンにオイルがしみ込んでいるから、トマトなどの水分の多い具材をよく使う。

 

クロスティー

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 クロスティー二もイタリア料理だ。トスカーナで生まれたこのサンドウィッチは、ブルスケッタに酷似しており、よく間違われる。「クロスティー二」とはイタリア語で、「小さなトースト」という意味だ。ブルスケッタよりもすだち(キメ)の細かいパンを使用することが多く、ブルスケッタよりも小ぶりである。又、ブルスケッタのようにパンにニンニクを擦り込むことはなく、パテやアンチョビを乗せて食べる。

 

カナッペ

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 カナッペはフランス料理である。「カナッペ(canape)」とは本来、「背もたれのある長椅子」又、「ソファー」という意味の言葉。カナッペが、豪華な宴会の前に、別室のソファーでグラス片手につまんでいただくための前菜料理であることから、そう呼ばれるようになったのだとか。パンは一口大に切った食パンやフランスパン、或いはクラッカーなどが用いられる。その上に直接具材を乗せることが、カナッペの大きな特徴。そのため、水分の多い食材はカナッペには不向きだ。チーズやキャビア、スモークサーモンといった水気の少ない具材がカナッペの定番である。

 

タルティー

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 タルティーヌもフランス料理である。「タルティーヌ」とは「塗る」という意味の動詞である「タルティネ」から来ている。ただし、パンやクラッカーなどに塗る場合のみに使う言葉だそう。パンはバケットやカンパーニュなどのフランスパン。そのうえに、バター、はちみつ、ジャムなどの甘い具材を塗って食べるオープンサンドであり、フランスの家庭で朝食メニューとして愛されている。

 

まとめ

 今回は「ブルスケッタ」、「クロスティーニ」、「カナッペ」、「タルティーヌ」というフランスパンを使用したオープンサンド四種の違いを学んだ。同じような作りの四つのオープンサンドだが、こうして比べてみると全然違った料理に思えてくるから不思議なものだ。

 サンドウィッチの分類は難しい。然し、だからこそおもしろい。今回学んだのは、サンドウィッチの分類のほんの一部にすぎない。サンドウィッチの世界はまだまだ広く、奥深く、おもしろいのだ。

 

 

 

サンドウィッチの基本のキ ~パンの厚みの考え方編~

 「単純」と「難解」とは、常に表裏一体。一見して簡素なことほど、却って絶妙なテクニックや多くの知識を要する。絵にせよ、文章にせよ、サンドウィッチにしてもそうだ。サンドウィッチという食べ物は至極シンプルな作りであるけれども、同時に世界一難しい料理だとさえ思う。科学をよく知り、工夫を凝らし、芸術的感性を研ぎ、調理の腕前を上げなければ、最高のサンドウィッチは作ることができない。勉強、経験あるのみだ。その第一歩として、また、私自身のサンドウィッチ修行の一環として、サンドウィッチ作りの基本のキをお教えしよう。

 前回の「バターの役割」編に続いて、今回のテーマはサンドウィッチにおける「パンの厚み」の考え方。サンドウィッチに使うパンの厚みに明確な決まりはない。決まりはないけれど、具材や作りてのねらいに応じて最適な厚さはある。今回は、そのようなパンの厚み論を少し、分かりやすくお話しよう。

 

 

mimiwosumasite.hatenadiary.com

 

 

 

「パンの厚み」の重要性

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 パンの厚みが多少違ったところで、サンドウィッチの味にほとんど影響はない。しかし、たった5ミリの差は、二枚になれば10ミリになり、パンを三枚使えば15ミリもの差に広がる。この差は、パンと具材の割合、食べやすさ、盛り付け方、見た目などに大きな影響を及ぼす。それらの重要性を十分に理解しておかねば、最高のサンドウィッチは作れない。パンの厚みの違いは、主に、「パンと具材の割合」、「サンドウィッチ全体の厚さ」、「盛り付け方」という三点に影響することを覚えておこう。

 

パンと具材の割合

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 パンが厚ければ厚いほど、サンドウィッチ全体でパンの占める割合が増す。すると、口内でパンと具材が混ざりあったときに具材の存在感が薄まったり、サンドウィッチに齧り付くときの食感に悪影響を与えたりする。だから、パンの厚みは、パンと具材の割合を考えて決めなければならない。

 また、断面のパンと具材の比率も重要である。サンドウィッチとは、常に気分が高揚する食べ物であるべきだ。そのためには美しくあること。サンドウィッチの美しさは、断面に委ねられている。華やかで美しい断面を作るには、具材の工夫は当然として、パンの厚みにも注意しなくてはいけない。同じ具材を同じように並べてもパンの厚みの違いで、その印象は驚くほど変わる。気分の高揚するサンドウィッチを作るには、切ったときの断面のことまで計算にいれてパンの厚みを決定せねばならない。

 

食べやすさ

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 サンドウィッチが厚すぎれば、食べるのが大変だ。下手をすれば、せっかく考え抜いて組み立てたサンドウィッチを分解して食べることにもなりかねない。かと言って薄すぎるのも問題だ。持ちあげただけで項垂れたり、破れたり潰れたりするようなサンドウィッチでは食べづらくていけない。厚すぎず薄すぎない、持ちやすく食べやすいくらいの厚さであることも重要である。尚、日本の食パンは、日本人の好みに合わせて欧州のものよりもふんわり柔らかく作られているから、薄切りに弱い。

 

盛り付け方

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 気分を高揚させる食べ物であるためには、盛り付けも重要だ。パンの厚みは盛り付けにまで影響する。味わいには関係しないとはいえ、お皿に美しく盛り付けられるとやっぱり嬉しい。盛り付けまでよく考えてから作り出さなくては、せっかくの美味しいサンドウィッチでも気分が上がらない。気分が上がらなければ美味しいものも美味しくなくなる。立てるのか寝かせるのか、いくつに切り分けるのか、どのように切るのか。そのためには、どれほどのパンの厚みが必要なのか、また不必要なのか考える必要がある。

最適なパンの厚み

 パンの厚みの重要性はご理解いただけただろう。それでは具体的にどのようなサンドウィッチにはどのくらいの厚みがベストなのか。サンドウィッチの種類はあまりに膨大なので、日本でよくみられるサンドウィッチを例に解説しよう。

 

ティーサンド系

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 ティーサンドウィッチとは、イングランドの文化であるアフタヌーンティーのお供として誕生した、耳を切り落としたパン・ド・ミ(中身を食べるパンという意味。従って白くて柔らかい食パンのこと)を薄く切ったものにバターを塗り、具材を挟むサンドウィッチのことだ。具材には、きゅうり、卵サラダ、ジャム、チーズやハムにチキンなどが使われる。とりわけ、キュウリを使ったキューカンバーサンドはティーサンドウィッチの代表格として扱われている。

 本題のパンの厚みだが、ティーサンドウィッチの本場イングランドでは、3ミリがよいとされている。バターを塗り、木の葉のように薄くスライスしたパンに、これまた数ミリ程度の具材を挟むのが本格らしい。ところが、先に述べた通り、日本のパンは柔らかすぎて3ミリスライスには耐えきれない。それに、ティーサンドウィッチとは言っても、日本では単なる軽食として扱われており、大きさも本場のフィンガーサンドウィッチ(一口大にカットされた小ぶりなティーサンドウィッチ)ではなく、コンビニエンスストアで売られているような角食パンを半分にしたサイズのものが一般的。そのため、具材の重さもあり、軽食としてのある程度の食べ応えも求められるから、パンの厚みは5ミリから10ミリくらいがベストである。尚、10ミリという厚みは、市販の一斤食パンでいうところの12枚切りに相当する。

 

【例】

・キューカンバーサンド

・タマゴサラダサンド

・ツナサンド

・ジャムサンド

・ハムチーズサンド

・PB&Jサンド

 

B.L.Tサンド系

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 B.L.Tサンドやミックスサンド、アメリカン・クラブ・ハウス・サンドなどのように、レタスとトマト、それから、肉かそれに準ずるものを使ったサンドウィッチのことをB.L.Tサンド系と呼ぶことにしよう。B.L.Tサンド系の特徴は、多くの具材を挟むこと。レタス、トマトは勿論、キュウリにタマゴ、チーズ、ベーコン、ハム、ターキー、ハンバーグ、ピクルス、玉ねぎなど、あらゆる野菜や肉類、それから乳製品を挟む。つまり嵩張るのだ。すると、具材とパンの割合的に言っても、耐久性的に言っても、ある程度のパンの厚みが求められる。しかし、嵩張るということは、パンを厚くするほどサンドウィッチ全体も厚くなり、食べづらくなる。ミックスサンドやアメリカン・クラブ・ハウス・サンドのようなダブルデッカー以上が基本であるサンドウィッチなら尚更だ。

 サンドウィッチの食べやすい厚さは50ミリくらいまで。それ以上は口に入れるのが難しくなってくるから、できるだけ50ミリ以内に抑えたいところ。そう考えると、ダブルデッカーなら8ミリ~10ミリ。パン二枚のクローズサンドだったら、10ミリ~15ミリがベストだろう。15ミリは市販の一斤食パンでいうと8枚切りである。

 

【例】

・B.L.Tサンド

・T.L.Tサンド

・ミックスサンド

アメリカン・クラブ・ハウス・サンド

 

カツサンド

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 豚カツサンドやエビフライサンドをはじめとする、カツ系のサンドウィッチ。カツサンドウィッチ系とまとめてはみたが、ハムカツやヒレカツのように具材に厚みのないものから、ロースカツのような分厚いもの、エビフライのように細長いものまで様々あるし、ロースカツと言っても厚さはいろいろだし、厄介だ。最適なパンの厚さはコレ、とは示しづらい。しかし目安はある。カツサンドは何方かというと空腹を満たすことを目的としているサンドウィッチの部類に入る。そのため、ある程度の満腹感が欲しい。又、カツの重さに耐えられる程度の強度も必要であるから、15ミリ~20ミリくらいが好ましい。

 

【例】

・ロースカツサンド

ヒレカツサンド

・ハムカツサンド

・チキンカツサンド

・エビフライサンド

白身魚のフライサンド

・メンチカツサンド

・コロッケサンド

 

まとめ

 今回は、サンドウィッチにおける「パンの厚み」の考え方と、その実用例を少し紹介した。然し、ここに挙げたサンドウィッチは、世界中にあるサンドウィッチのほんの一部に過ぎない。サンドウィッチはその手軽さと単純さと美味しさ故に、世界中で独自のサンドウィッチが食べられている。その数は、名前のあるものだけでも数えきれない。そして、名前のないサンドウィッチも日々、今日も、どこかの家庭で発明されていることだろう。

 この記事を読んで、サンドウィッチという単純な食べ物の秘める、奥深さと面白さが少しでも伝わったなら嬉しい。次回は、サンドウィッチの「組み立て」の考え方をご紹介しよう。

サンドウィッチの基本のキ ~バターの役割編~

  パン切れに具材を挟む。ごく簡単にいえば、サンドウィッチの作り方はそれだけだ。料理をしたことがない人にでも、恐らく作ることはできる。故に、サンドウィッチは世界中の家庭で食べられている稀な食べ物と成り得た。

 然し、世界中どこでもサンドウィッチ(地域に依って呼び方に違いは在れどパンに具を挟んだ料理は世界中で食べられている)が食されているということは、裏を返せば、それ程に種類も豊富で奥深い料理であるということだ。単純であればあるほど、その本格は難しい。というのが世の常である。千文字の文章を書くより二百文字に伝えたいことをきれいにまとめる方が余程難しい。一見すると落書きのような画が芸術作品と呼ばれる。そういう具合で、単純なことほど腕が問われ知識が求められるのだ。サンドウィッチというシンプルな料理は、世界一簡単な料理でありながら、美味しく、そして美しく作ろうと思うと、途端に世界一難しい料理にもなるといって過言ではあるまい。

 さて、うんとハードルを上げたところで、サンドウィッチ作りの基本のキをお教えしよう。千里の道も一歩から。サンドウィッチ上手になるためにまず抑えておくべきことがいくつかある。今回はそのうちでも、特に重要な「バターの役割」についてお話ししよう。

 

 

 

バターの役割を知るべし

 

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 サンドウィッチのレシピを見ると、必ずと言っていいほど、「パンにバターを塗る」とある。然し、バターは安くないし、何より塗るのが面倒くさい。バターがどんな働きをしているのか知らなければ、この工程を省いてしまうのもよく分かる。

 だが、サンドウィッチを作るときにパンに塗るバターの主な役割は四つ。いずれも重要なことだ。この記事を読み終えたときには、いくら面倒でも、バターを塗らずにサンドウィッチを作るなんて愚行はもう出来なくなるだろう。

 

 具材の水分がパンに浸み込むのを防ぐ

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 サンドウィッチ初心者がまず陥る失敗は、具材の水分過多によってサンドウィッチがビチャビチャになることだ。特にパンはスポンジ状であるから水分をよく吸収してしまう。濡れたパンのサンドウィッチは食べ辛いし不味い。

 そこでバターが必要になる。バターは油であるから水分をよく弾く。パンの表面にバターを塗ることには、サンドウィッチが具材の水分でビチャビチャに濡れるのを防ぐコーティング剤の役割があるのだ。

 

サンドウィッチの崩れを防ぐ

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 サンドウィッチやハンバーガー(ハンバーガーも厳密にはサンドウィッチの一種であるが)を作るとき、土台となるパン(ヒール)の上に具材を積み重ねてゆき、最後にもう一方のパン(クラウン)をかぶせる。この具材を積み上げてゆく様から、サンドウィッチやハンバーガーの構成のことをビルディングと呼ぶ。建物は、建材を闇雲に積み重ねたのでは簡単に崩れてしまう。

 サンドウィッチも同様だ。考えなしに具材を積み上げてはまずい。具材ごとの性質をよく理解し、計画的に組み立てなければ、具材同士のの喧嘩やサンドウィッチの倒壊、それから食感を損なう原因となる。

 バターには、パンと具材をずれにくくする、つまりサンドウィッチが崩れてしまうのを防ぐ接着剤としての役割も持っているのだ。

 

具材が傷むのを防ぐ

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    お弁当としてサンドウィッチを作る場合、具材の鮮度にも気を配らなければならない。特に夏場の熱い時期は、あっという間に具材やパンが傷んでしまうので最新の注意が必要だ。対策としては保冷バックを使うとか、腐りやすい食材をなるだけ使わないとか、いろいろの工夫がある。微生物の増殖を防ぐ目的でも、水分を弾く性質を持つバターをパンに塗っておくといい。

 

美味しい

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 単純にバターを塗る方が塗らないより圧倒的においしい。コクが増し、まろやかな口あたりになるので、是非とも塗っておいて損はない。上記三つの役割をすべて知らずにいたとしてもコレだけは知っておくべきだ。なんたって美味しいのだから。

 

まとめ

 バターの代わりにマヨネーズやヨーグルトなどの代用品を使うこともある。それについて詳しいことは、また今度別の記事にまとめることにしよう。今回は、サンドウィッチ作りの基本中のキホンである「バターの役割」を学んだ。何事も基本が大切。基本が成っていなければ、どんなに画期的なアイデアを持っていたとしても美味しいサンドウィッチを作ることはできない。こういう小さな、けれども重要な知識の積み重ねこそ、サンドウィッチ上手への近道である。次回は、「パンの厚み」の話をしよう。

パンが具材のサンドウィッチをご存知?

  パンでパンを挟んだサンドイッチをご存知だろうか。実はそういうサンドイッチは幾つか存在する。その中でも、特にシンプルで最も有名なものが、「トーストサンドイッチ」だ。その名の通り、トースト(焼いた食パン)を2枚の焼いていない食パンで挟むという簡素の極みのよう代物である。

 

 150年以上前に誕生したこの妙なサンドイッチは、その材料の安価なことで、当時のイギリスの貧乏人を救った。然し食糧飽和状態の現代ではただのヘンテコなサンドイッチである。が、イギリス王立化学会がこれを50年ほど前にこれを最も経済的なサンドウィッチでありながら栄養価も高い素晴らしい発明であると再評価したことから、いまでも辛うじてトーストサンドイッチは存在している…。

 

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 写真のトーストサンドは、バターにガーリックと粒マスタードを加えたもの。

 

 

 作り方はトーストしたパンを、バターを塗って塩コショウした2枚のパンで挟むだけ。然し、挟むトーストを熱いまま挟むか、冷やしてから挟むか。また、バターを塗るのはトーストの方か挟むパンの方か、などといった一寸した作り方の違いは人によってあるようだ。

 

 さて、肝心の味についてだが、これが意外と美味いのだ! 地味な見た目と簡単なレシピを見る限り、とても美味いとは思えないトーストサンドイッチだが、食べてみると、妙に美味い。中のトーストがカリカリで、外のパンが柔らかい。食感はハムカツサンドに似ている。味はパン自体の味とバター、あとは塩コショウくらいのものだが、シンプルとは恐ろしい。とは褒めても、所詮はパンでパンを挟んだだけのサンドイッチ、つまり三枚重ねた食パンである。想像を上回りはしたものの、やはり普通にいろいろの具材を挟んだサンドイッチの方が美味い。ただし、もう少し工夫の余地がありそうだ。いつか、究極のトーストサンドイッチを作るべく研究してみるのも面白そうだなあ…。

 

 そういえば、日本にもおかゆライスという、ご飯にご飯をかけた料理が存在する。あれも見た目真っ白で、とても食欲をそそるものではないけれど、食べてみると意外にイケるから不思議だ。トーストサンドイッチにしてもおかゆご飯にしても、一つの素材に異なる調理を施し、それを組み合わせると、意外にも美味しいものが出来上がるのかもしれない。小麦と米でそういう結果が出ているのだから、残る世界三大穀物の一つ、トウモロコシでも同じことをしたら美味いのだろうか。ミルクの代わりに、トウモロコシのスープでコーンフレークを食べてみるのもいいかもしれない…。気になる方は是非やってみて、感想を聞かせてください。

 

 世界は広い。トーストサンドイッチ以外にも、ヘンテコなサンドウィッチはまだまだある。これからもそんなヘンテコなサンドウィッチを紹介してゆくのでお楽しみに。

 

セブンイレブンで「かすてらサンド」なるものを見つけた。

 此の前、ふらりと立ち寄ったセブンイレブンで「かすてらサンド」なるものを発見した。これまた、珍しいものを始めなすった。……購入。ところで、かすてらサンドと聞いて、シベリアを思い浮かべている人が幾らか居そうなので早めに写真をお見せしよう。

 

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  かすてらサンドなるもの

 そう、シベリアと違ってかすてらを挟んだサンドイッチなのだ。なに、新しい文化ではない。昔からあるにはある。ところがどういうわけか、シベリアもそうだがあまり流行らないのが不思議。スタジオ・ジブリの『風立ちぬ』で堀越二郎がシベリアを購入するシーンがあることで、一時注目されたけれど、今では見かけることも稀。スーパーマーケットの和菓子コーナーに辛うじて存在する程度である。

 

 再び、シベリアの姿が市場から消えかけているときに、今度はセブンイレブンがかすてらサンドを出したのだ。どういう食べ物かというと、ミルククリームを塗ったミルクパンに長崎かすてらを挟んだだけの至ってシンプルなものである。

 

 美味いかと聞かれると、うんと云うくらいにはおいしいが、いいから一度食ってみろというほど感激はしない。食欲のあまりでない病気のときなんかは丁度いいかもしれないけれど。クリームに砂糖は入っていてシャリシャリした食感が楽しい。それから、パンもかすてらも、ふんわりして境目がわかりづらいから、サンドイッチというよりは一つの菓子パンを食べているような感覚に近い。然し、私の考えるサンドイッチの定義「焼きあがったパンと具材を組み合わせたもの」によると、これは明らかにサンドイッチということになる。

 

  

  シベリアはサンドイッチか

 その点、シベリアは怪しい。シベリアとは二切のカステラで羊羹を挟んだものだが、かすてらは果たしてパンと呼べるのか。

 

 俗にいうカステラとは、長崎で生まれた長崎カステラである。が、そのルーツだとされるものが二つある。ひとつは、一六世紀に、ポルトガル修道院で生まれた「パン・デ・ロー」。もうひとつは、スペインで生まれた、イーストを使わず二度焼きしたパン「ビスコチュ」だ。これらはどちらもパンとして扱われている。ところが、長崎カステラをパンだと云う人は居まい。私たちのイメージするパン像とはだいぶ違う。しかし、パンもカステラも小麦粉を焼いた食べものである。一体、菓子とパンの境界線はどこにあるのだろうか。

 

 カステラは英語圏では、Japanese sponge cake、sponge cake、Castellaなどと呼ばれている。カステラとそのままでも伝わるようだが、ケーキと呼ばれる方が多いらしい。そういう観点からみるとカステラは菓子ということになる。

 

 ルーツや言語という間接的観点から考えてもどうやら埒が明かなそうだ。パンとスポンジケーキとの大きな違いに、生地を捏ねるか否かという問題がある。捏ねた生地を発酵させ(発酵させない場合もあるが)、成形するなり型に入れるなりして焼き上げるのがパン。対して、とても捏ねることのできない液状の生地を型に流し込んで焼き上げるのがスポンジケーキ。つまり、全原材料のうちで小麦粉の占める割合にパンとスポンジケーキの境界線があるのかもしれない。スポンジケーキの基本的な材料の割合は、小麦粉・卵・砂糖=1・1・1であり小麦粉の割合は33パーセント。対してパンは、小麦粉の割合が50パーセント以上でなければ発酵や成形がうまくできないため基本的に5割以上が原則とされている。それ以下の小麦粉保有量のパンも存在するが、40パーセントが限界と見える。これらのことから、小麦粉保有量4割がパンとスポンジケーキの境界線だといっていいだろう。従って、小麦粉・卵・砂糖の割合が、1・2・2で作られるカステラは立派な菓子であり、シベリアはサンドイッチとは認められないと結論づく。

 

 因みに、パンケーキという、パンなのかケーキなのかはっきりしない名前の食べ物があるが、パンケーキの「パン」は、平たい鍋の意味を指すパンであって食べ物のパンではない。つまりフライパンで焼いたケーキのスポンジケーキのことをパンケーキと呼ぶのである。

 

 

 生き残れるか、かすてらサンド

 さて、話をかすてらサンドに戻そう。セブンイレブンのパンコーナーに突如姿をあらわしたかすてらサンドだが、果たしていつまで店頭に生き残ることができるだろうか。

 

 コンビニエンスストアの王たるセブンイレブンだが、パンに関していえば、他社に引けを取っているように見えなくもない。ファミリーマートは、常に新しく斬新なパンを店頭に送り続けている。確かにその多くがいつの間にか姿を消したり死筋入りしたりということは頻繁にあるが、ヒットし長らくレギュラー商品としてパンコーナーに居座り続ける超ロングセラーとなり得るパンも近年続々と発売されているのも事実。クリームデニッシュやつぶあんデニッシュ、もっちパン(ミートソース)、チーズカレーパン、パン・オ・ランジュ、ちぎれるミルクパンなどはすっかり見慣れた。それに果敢な開発姿勢が好印象を与える。

 

 しかし、セブンイレブンのパンコーナーにはこのところ大きな変化を見ない。もちろん、常に新しいパンは開発され、改良も行われているが新たに定番となるような革命的商品は誕生していないのだ、そこへ、今回あらわれたのが「かすてらサンド」は、果たして爪痕を残せるだろうか。ちょっと期待している。